通巻1号)マーケティングとは何か

マーケティングの歴史と定義

マーケティングの始まりは、Arch Wilkinson Showが発表した論文「市場流通における若干の問題」とされており、1905年にペンシルベニア大学の講座「The Marketing of Product」あたりが起源と言われている(諸説あり)。

米国のAmerican Marketing Association(以降、AMA)が、1940年にマーケティングを定義し、それ以来、幾度となく改訂され、2007年の定義が最新となる。

『マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。(原文)Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.』

また、日本マーケティング協会(1957年設立)では、

『マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合活動である。』

と定義されており、米国のAMAとは異なる考え方に思える。Marketing Today では、AMAのマーケティングの定義を基本とし、この考えを元にしてお伝えしていきたいと思う。

現代マーケティングの始まり

現代マーケティングの始まりは、1957年のJhon A.Howard著書の「Marketing Management」あたりだと言われている。また、マーケティング本に必ずと言って良いほど、出てくる4Pを提唱したのは、1960年のEdund Jerome McCarthy著書の「Basic Marketing」であるが、消費者/顧客サイドから考えることが多い、現在のマーケティングにおいては、Neil Bordenが使い始めたマーケティングミックスの考え方である4Cの視点が適切ではないかと思う。

この買い手視点が、Marketing 2.0と言われているものである。その後、Marketing 3.0 人間中心の考え方、Marketing 4.0 自己実現の考え方へと変化してきており、詳しくは、Philip Kotlerの著書を読まれることをお勧めしたい。

国内のマーケティングセミナーの多くは、1.0や2.0のものが多いため、基礎知識として認識して受講しつつ、実務ベースで考えるのであれば、ソーシャルメディアやスマートフォンが普及した今、消費者/顧客の行動を捉えるのであれば、上記の書籍を読み込まれた方が適切である。

マーケティングとは何か

米国AMAが定義付けたように、提供物、つまり商品やサービスを創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。もっと平たく言えば、商品を作り、プロモーションし、物流でお客様に届け、お金に交換することであり、これらに関わる全てのプロセスがマーケティングである。

Peter F.Druckerが、著書「マネジメント」の中で、

「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ。」

と語っており、これがマーケティングの普遍的な考えだと言える。

販売を不要にする、これをどのように捉えるかがポイントだと考えるが、特にBtoB企業において営業が担う役割が大きいことに起因する。

これまでの営業において、その役割は顧客との交渉が重要な要素として考えられており、顧客が製品を選択し購入するための判断を行うのは、営業担当者に寄るところが大きい、そう考えられてきた。

しかしながら、2000年以降、日本でも急激にインターネットが普及し、各企業のウェブサイトや情報提供という点において、大幅に進化してきた現代において、顧客自らが課題に対する答えを探し始めている。製品やサービスにもよるが、顧客が販売先企業の営業担当者を呼ぶときには、大凡の購入判断が出来ている場合が多く、調達条件や納期、価格などの交渉だけが残されている。

つまり、多くの企業にとって、この検討段階において自社の製品やサービスが残っていることが最低条件であり、その検討リストに入るための施策が最も重要である。顕在顧客化する前に勝負は決しているのが、現代のマーケティングにおける営業の実態である。

あなたがマーケティングを実践していくために

これらの事実から、営業重視の経営ではなく、マーケティング重視の経営にシフトが迫られていることは明かであるが、多くの企業のマーケティング部門やマーケティング担当者は、全社を横串したような組織や権限になっておらず、マーケティングを実施していくための体制には至っていない。

マーケティングが実施できる組織に変えていくためには、経営者自らが動き出すしかない。一担当者としては、マーケティングにシフトした組織全体の在り方を想像しつつ、今ある業務をマーケティング視点で考えたときに何をすべきかを考え、実行していく、または影響範囲外については上申していくために、Marketing Todayの情報を役立てていただきたい。

 

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