コンテンツとは
あなたの会社のホームページや運用しているSNSなど、それらに掲載した情報や動画などが一括りにコンテンツと呼ばれる。インターネットやデバイスの爆発的な普及によって、多種多様なメディアが生まれ、それらにつられてコンテンツも増えてきている。
インターネットが普及するまでは、4マスと言われている、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などが、消費者が見ることの出来る唯一のメディアであった。
しかし、インターネットが普及した今、オウンドメディアと言われている企業のホームページや、ペイドメディアと言われる企業が費用を払って広告を掲載するメディア、アーンドメディアと呼ばれている消費者やユーザーが情報発信するSNSなどが、トリプルメディアと呼ばれ、新たな役割を担い始めている。
それらのメディアを活用し、消費者との接点を広げていこうとする企業の機運が高まってきている。しかし、メディア運用に知見がない企業が生み出すコンテンツの多くは、消費者の期待に答えられず、プレスリリースや製品情報など、消費者の心に何ら響かないコンテンツが大量に吐き出されている。
メディアはメッセージである
インターネットが存在しない時代から、メディアの特徴、影響力など、様々な角度で将来性を訴えかけてきたHerbert Marshall McLuhan。彼の「メディア論 – 人間の拡張の諸相」は、今だからこそ読んでおきたい一冊である。
彼の主張のとおり、あなたが運用しているメディアは、そこで発信しているコンテンツよりも重要である。そのメディアは、何故必要なのか、どのように伝えたいのか。それが、企業のホームページであれ、FacebookやTwitterであれ、同じ事である。消費者に心に響くコンテンツを考えるとき、そのメディアの方向性が何よりも重要なのである。
膨大に増え続けるコンテンツ
総務省の平成21年の調査では、200年頃までは、情報通信量つまりコンテンツに対して消費量が等しい量であったが、2009年には、情報消費量が10%しか伸びていないにも関わらず、コンテンツ量は200%も伸びており、明らかに消化不足である。
出典:総務省「我が国の情報通信市場の実態と情報流通量の計量 に関する調査研究結果(平成21年度) ―情報流通インデックスの計量―」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000124276.pdf
それから、8年以上が経過した今、さらに多くのコンテンツが生み出され、消費者側に見られることもなく眠っているコンテンツが途方もない量で積もりつつあるということだ。数年前にブームとなったキュレーションメディアも、このような消費できない膨大なコンテンツを解決するために生まれてきたメディアの一つである。
ここで重要なことは、消費者は既にコンテンツに溢れ、あなたの提供するコンテンツは、余程のことがない限りは見られることは無いということだ。あなたのコンテンツが消費者の注目を浴びて光り輝くのか、誰にも振り向かれずに闇に葬りさられるのか、いずれかしか無いということだ。
だからこそ、メディアはメッセージである、という言葉に意味がある。私たちが消費者に語りかけるとき、その母体であるメディアに意味づけをしていなければ価値が見出せないのである。
価値のあるコンテンツ
今から、20年以上も前にマイクロソフトの創業者 Bill Gates が、
Content is King
であると、彼は語っている。
メディアはメッセージであり、そのコンテンツはキングであるとしたら、どのようなコンテンツを私たちは消費者に届けるべきなのか。今、あなたの企業が提供しているコンテンツをデスクトップに写しながら、比較して欲しい。
1895年、今から100年以上も前に創刊された「The FURROW」という雑誌がある。

The FURROW
これは、米国のJohn Deereという農機具メーカーが発行した雑誌である。この雑誌は、企業情報や製品情報を提供しているのではなく、農家の方々が農業で必要とする知識や知恵をお伝えするためのものである。例えば、農作物の育て方、流行病、新しい農業技術、気象傾向、農家にとって興味関心事の高いコンテンツを掲載している。
そして、今も The FURROW は、農家の人たちに貴重な情報を提供し続けている。
彼らが、The FURROW で得られる情報は、直接的には John Deere の製品購入には結びつかない。でも、彼らは、John Deere のユーザーで有る限りは有益な情報が得られ、恐らくは、John Deere の製品には、彼ら農家で必要とする機能や利便性が詰まった製品を出し続けてくれるであろうという、信頼や期待感に結びついているのではないか。
今、あなたのデスクトップに表示しているコンテンツは、あなたの顧客に、どのような価値を提供しているのだろうか。また、そのコンテンツは、あなたの会社や製品に脈々と受け継がれている製品作りに対する考えが反映されているだろうか。
デジタル化した The FURROW は、今も変わらず農家の人たちに寄り添っている。メディアやコンテンツを考えるとき、この100年も前に創刊した雑誌に学ぶべき事は多い。
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