スタートアップや新規事業部におけるコミュニティの始め方

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この記事は、Community Marketing CommunityのAdvent Calendar 2018 12月11日(火)分の投稿です。今回、タイトルを「スタートアップや新規事業部におけるコミュニティの始め方」としたのは、私が多くのお客様から相談を受けている事が多いテーマだからです。

ですので、短いながらもAdvent Calenderをキッカケに明文化しておこうと考えたのです。

はじまりの始め方

熱量の高い誰かが何かの想いを持って始めると、自然と人が集まり広がっていく。最初の着火点は言い出しっぺとなった人が、その火が消えないように少しずつ火を大きくしていくことで、興味を持った人達が集まり広がっていくのです。

CMCの小島さんが言われているファーストピン、その人がコミュニティを牽引していくことは明らかですが、そもそも、そのコミュニティに価値があり、その火が絶えることなく未来永劫続いていくと思えるように人々を惹きつけていく人が、コミュニティのはじまりの始めなのです。

私が、CMCに参加したキッカケは、JAWSでもなく、小島さんを知っていたわけでも無く、何となく小島さんの言っていることに普遍的なものを感じ、初回から参加し、今もスタッフとしてココにいるのは、その火は消えないよ!という小島さんのメッセージを信じたからだと思います。

そのような種火が無ければ、コミュニティは生まれないですし、私を含めて多くの人が参加することも無かったのではないでしょうか。つまり、あなたが製品やサービスについて顧客に伝えることが始まりで、その時点では単に熱量の高い単独の人であったとしても、それがお互いの情報共有の場が生まれ、コミュニティへと広がっていくのです。

これこそが、コミュニティのはじまりの始め方ではないかな、と思っています。大手中小企業の新規事業部やスタートアップの支援をしていく中で、コミュニティの立ち上げについて相談を受けます。

しかし、プロダクトも知られておらず、ユーザーが少ない状況では、何がコミュニティを生み出すキッカケになるのかと言えば、その製品やサービスの責任者が、この火(製品やプロダクトが生み出す価値)は消えないと想い信じ、自分だけでは無く、自社のスタッフを巻き込み、顧客が期待を持ち、多くの人が信じられるところまで背負えるか、ということに尽きるのです。

私の周りで言えば、Rancherの新藤さんが参考になるのではないでしょうか。Rancharの製品やコミュニティの立ち上げにおいて、新藤さん、つまりメーカー側の情熱が弱ければ、それを信じてついてくる人も、立ち上がる人も少なく弱いものとなっていたはずです。その情熱を新藤さんは、愛として表現されています。

あなたは、こう思うかも知れません、Rancherは最初から素晴らしい製品を持っているではないか、と思われるかも知れません。でも、最初から製品やプロダクトが素晴らしいものであれば、無条件に受け入れてもらえたり魅力を感じてもらえるのでしょうか。

製品やサービスの力だけで、それらを他の人に推奨できるのでしょうか。製品だけが良くても、製品やサービスを多くの人に伝えることの努力を怠り、ましてコミュニティを形成することなく消えていった製品は枚挙に暇がないではないか。

世の中に生まれる、どの製品も同様ですが、最初から素晴らしい製品は存在しません。様々な課題を抱えながらも顧客や市場とともに成長していくための労力を厭わない企業だけが最後に生き残るのです。その製品やプロダクトが見据える未来が顧客に取って描きたい未来と一致しているのであれば、共に成長していけるのです。

どうすればファーストピンは見つかるのか

コミュニティを形成し育成していくためには、その船頭となるファーストピンはどのように見つければいいのか。小島さんの述べられていることは、コミュニっティのnagata(@SsfRn)さんがまとめられているので、そちらを参考にしていただき、私はファーストピンを見つけるため、あなたがどのように取り組まなければならないのかを述べたいと思います。

コミュニティマーケティングにおいて必要なのはファーストピン?〜 #CMC_Meetup で学んだこと〜
https://note.mu/community_naga/n/n744ee335c17d

あなたがメーカーの責任者でコミュニティリーダーだとしたら、ファーストピンを見つけるためには、あなたの熱量が非常に重要なのです。ファーストピンに投げ入れるボールは投げ入れた人の熱量によって、ファーストピンへ向かうのか、外れてしまうかが決まるのです。(※実際にはファーストピンをどうすれば引き寄せられるか、ということです)

つまり、ファーストピンを見つけ出すには、投げ入れた人の熱量で決まるのでは無いか、私はそう考えています。しかし、実際のボーリングと同様に最初からファーストピンに当たる人なんていません。何度も何度も投球して精度が高まり、自信が積み上がり、それが結果としてファーストピンを見つけることや、より確かな情熱に繋がっていくのです。

晩年、スティーブ・ジョブズが「未来に先回りして点と点をつなげることはできない。君たちにできるのは過去を振り返ってつなげることだけなんだ。だから点と点がいつか何らかの形でつながると信じなければならない。」と語ったようにように、コミュニティにおいても、最初は小さな芽がいくつもあり、でも枯れて、また芽生えて、を繰り返し、その中から大きな大木が生長するのです。その点と点に意味があると思えるのは、将来になってからなのです。

コミュニティは、いつ始めればいいのか

多くの担当者の悩みの一つが、コミュニティをいつ始めればいいのかです。これに答えを見つけるのは難しいですが、一つ言えるのは今すぐにでも始める、というのが最も正解に近いと考えます。

前述のとおり、多くのイベントなどの集まりを実施しても、顧客とのコミュニケーションを増やしても、最初は点と点でしかなく、どれが芽が出るのかも分からない。しかし、その歩みを止めなければ、遅かれ早かれ、何らかの芽が出るものです。しかも、コミュニティを育てていくためのコツを掴むためには、いち早く実施し経験を積む以外にはないのです。

多くのコミュニティが、そうであるように(会の設立では無く)コミュニティの起源は曖昧なものです。製品やサービスが育つの先か、そのプロダクトマネージャーやコミュニティマネージャが熱意を持って立ち上がるのが先か、ユーザーである顧客が価値を感じて立ち上がるのが先か、はたまた同時発生していくものなのかは正直分かりません。

でも、起点となるところが複数あっても何の障害にも成らないでしょうし、そもそもコミュニティが形成されるのは、何らかの偶然の積み重ねの結果なのかも知れません。私たちが、コミュニティを始めるとき、いや、製品やサービスの良さを伝えようとするその行為自体がコミュニティを形成することに繋がることすら、想像していなかった人もいたはずです。

単に、その製品やプロダクトが面白かったり、多くの人達にとって価値があるからこそ、他の人にも伝えたいと思う人があつまり、自然と形成していくのです。また、それらに加えてメーカー側の担当者の熱意が加わり、コミュニティの輪と成り顧客に伝播するのです。

あたかも自然とコミュニティが形成しされていくような感覚があり、様々な着火点や広がりが複数起こることによって、それが偶然では無く必然のようなものへと変わっていくのではないか。それらは、気がつくとコミュニティというものであり、自然と輪が形成されていくのかもしれません。

だから、あなたの製品やサービスの想いを少しずつ形にし、アウトプットファースト、オフラインファーストで始めてみることで、コミュニティ形成へのキッカケが掴めるのではないでしょうか。コミュニティを作ろうとして肩肘を張るよりも、あなたの製品やサービスを多くの人達に伝えるための小さな行動から始めてみてはどうでしょうか。

そのことによって、想いもよらない結果が待っているかも知れませんね。

明日は、運営のプロ、CMCの母であるw、Event Registの小笹さんの「運営の自分も楽しむための、コミュニティイベントのマワし方(準備編)」です。

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