DevRel的なビジネスの広げ方

DevRel

この記事は、DevRel Meetup in TOKYO の DevRel Advent Calendar 2018 の 12月13日(木)分の投稿です。今回、タイトルを「DevRel的なビジネスの広げ方」としたのは、DevRelって何なの?DevRelでビジネスが広がるの?という質問が多いため、折角のチャンスなので、短いながらもAdvent Calenderをキッカケに明文化しておこうと考えたためです。

DevRelとは

Developer Relationsは、外部の開発者、つまり顧客企業のエンジニアとの繋がりが形成することで、自社製品やサービスを知ってもらい、深く理解していただくためのマーケティング活動の一環です。主にソフトウェア業界、Amazon、Google、Facebook、Evernote、GitHubなど、多くのIT企業が実践し効果を挙げていることで、近年注目されています。

エヴァンジェリストに始まり、デベロッパーアドヴォケイトとなる職域ができ、マーケティング活動が認知だけではなく、知識や知恵を共有し情報交換するための活動にシフトしてきています。これは、IT企業だけではなく、何らかの物作りをしているエンジニア、もしくは職人と呼ばれている人達が働く企業でも取り入れられ広がっていくものと考えております。

IT企業よりも先駆けていた半導体業界

実は 呼び方こそ異なりますが、半導体業界においては昔から実践されています。アナログ半導体業界最大手の Texus Instruments 社のEtoE(Engineer to Engineer)サイトやトップエンジニアがネット上で直接FAQに答えたり、一般的な回路図や機能説明をブログ上で公開していたり、様々な取り組みがあります。

また、NXP社などは、自社製品ではなく業界における市場動向から、顧客のエンジニアがどのような情報を望んでいるのかを考え、課題を軸にしたコンテンツ展開をしており、コンテンツマーケティングの活用事例としては、IT業界よりも進んでいる一面も垣間見られるところも非常に面白いものとなっています。

将来における公共交通網はどうあるべきか、その時に必要なテクノロジには何が必要なのかなど、近未来的なコンテンツを作り出し、現状の製品の近い将来のロードマップ的な見せ方に成功しています。このコンテンツのターゲットは、明らかにヨーロッパ各地の公の機関に向けたメッセージであり、国づくり街づくりに向けたデザインを推し進めるための情報を先だしすることで、政府が推進する政策に入り込むための戦略的なコンテンツです。

このことで、国外メーカーが参入するためのハードルを高くすることや、関連する製品やサービスを行っている開発企業のエンジニアへのアピールへと繋がっているのです。エンジニアが解決すべき課題は目の前の課題であって未来ではない、でも政府や地域の公共団体からは将来の課題を突きつけられる。その状況において、これらのコンテンツは協力に意味を持ち始めるのです。

DevRel的なビジネスの広げ方

このようにDevRel的な手法は、IT企業のみならず他の業界でも使われ始めていること、また業界によっては、IT業界よりも先進的な取り組みとなっているものも見受けられます。これらの良い事例を参考にしつつ、貴社においてDevRel的なビジネスの取り組みについては、どのように進めていけば良いのかについては、まずはMoongift 中津川氏の「DevRelにおける戦略の立て方、考え方」が、参考になるので一度目を通しておいて貰いたい。

その上で、貴社のビジネスを広げていくための具体的な手法については、やはりインターネットの三種の神器とも言える、Webサイト、ブログ、メールに加えて、SNSを活用いただきたい。それに加えて、オフライン施策であるセミナーやワークショップなどが重要となります。

国内外含めて、BtoBビジネスにおけるドアノックが如何に難しいかは言うまでもないが、そのドアノックが出来ない状況を打破するためには、エンジニア自らが貴社のサービスへアクセスするためのキッカケを作る必要があるのです。

それが、コンテンツでありソーシャルネットワークの活用、はたまたオフラインでの各種イベントなのです。認知という意味においては、広告が真っ先に思い浮かぶかも知れません。しかし、貴社の製品やサービスに加えて、会社やブランドとしての価値が作り込まれていないのであれば、いきなり広告を打ったところで何ら響かないし、むしろ逆効果と言えます。

例えるなら、初めて会った女性に結婚を申し込むのと同じことだからです。貴方の事を何も知らない女性に対して、いきなり結婚を申し込んでも成功しないのと同じです。まずは、お互いを知るところから始まるはずで、企業間取り引きであれば、相手方企業へ自社の取り組みや製品やサービスのこと、また間接的にはアフターサービスなども含めて、多くの情報の有無や質などから、信頼度が測られるのです。

ですので、これらの情報が満たされた状態で広告を打つことで、やっとオファーを受け入れるだけの条件、つまり気持ちの整理がついている場合でなければ、製品購入への意思決定は進まないのです。これらを個々の企業や担当者ごとの事情に合わせて、情報提供や課題解決への手助けができる企業の製品やサービスのみが、ビジネスを広げることができ、長期的なLife TIme Valueが向上していくのです。

この事を念頭に入れ、マーケティング担当者、エンジニア、セールスが何を行い、実践していくべきかを順番も含めて整理したうえで進めていくことで、中長期的にビジネスが拡大していくことは疑う余地もありません。是非、貴社におけるDeveloper Relationへの取り組みを検討し、実践して頂くことを切に願います。

まだ、手遅れでないうちに。